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【最新海外文献】変形性膝関節症に効果的な治療法とは?
コラムひざの痛み 2022.09.23前回に引き続き変形性膝関節症についての最新の海外文献をご紹介します
変形性膝関節症に対しどんな治療が有効かをAHRQが調査
アメリカの政府機関である医療品質研究調査機構(AHRQ)が、変形性膝関節症の治療法の効果を調査しました。
調査対象の治療法は以下の通りです。
細胞療法
グルコサミン
コンドロイチン
グルコサミンとコンドロイチンの併用
筋力トレーニング
敏捷性トレーニング
有酸素運動(陸上運動と水中運動を含む)
温泉療法
泥浴療法
電気刺激療法(経皮的電気刺激、神経筋電気刺激、パルス電磁場療法を含む)
全身振動療法
温熱療法
赤外線療法
超音波治療
装具(膝ブレース、靴の中敷き、治療用靴)
食事による体重減少
その結果、膝の痛みに対してエビデンス(論理的証拠)のあったものは?
- 経皮的電気刺激(TENS)が短期的に痛みを改善する(中等度の質のエビデンス)
- 体重減少が中期的に痛みを改善する(中等度の質のエビデンス)
膝の痛みに対してエビデンス(論理的証拠)のなかったものは?
- グルコサミン(中等度の質のエビデンス)
- コンドロイチン(中等度の質のエビデンス)
- グルコサミンとコンドロイチンの併用(中等度の質のエビデンス)
それ以外の治療法は効果があったときもあればないときもあり、低程度のエビデンスしかなかったとの結果でした。
また、上記のどの治療にも、深刻な害として報告されているものはなかったとのことです。
変形性膝関節症の治療として決定的な方法は見つかっていないのが現状です。
苦しい状況ですが、「何でもやってみよう」と考えるよりは、エビデンスのあるものから試してみるほうが、自分に合った治療法を見つける近道になるかもしれません。
意外だったのは、筋力トレーニング。
治療効果が不明とされているのはおそらくトレーニング方法の違いであると思われます。
トレーナーの指導クオリティーにおいて担保できるものがなかったためと私は考えています。
当院では膝の痛みに対して、上記の文献でも効果があると言われている電気療法、マッサージ、ストレッチを行い膝の機能を回復させていきます。
マッサージとストレッチは正しいやり方をすれば1~3ヶ月程度で改善させることができます。
今回の文献では効果が不明とされている筋力トレーニングは正しいやり方をすれば効果は上がります。
ご要望があればトレーニング方法もご指導させていただきます。
膝の痛み、変形性膝関節症は当院までご相談ください。
参考文献
Treatment of Osteoarthritis of the Knee: An Update Review.
Comparative Effectiveness Review Number 190, 2017 May