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【最新医学文献】膝の関節注射について(海外編)
コラムひざの痛み 2022.09.21
いつもマリー整骨院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
今日は膝の関節注射に関するを海外の医学文献をご紹介したいと思います。
変形性膝関節症に対するトリアムシノロンアセトニド関節内注射の効果について
【以下文献の翻訳・抜粋】
アメリカの研究班が、変形性膝関節症の患者を対象にトリアムシノロンアセトニド関節内注射の効果を調べ、結果を医学誌『JAMA』に報告しました。(一部のみ抜粋)
この研究は、症状がある変形性膝関節症の患者で、超音波検査により滑膜炎が見つかっていて、重症度の分類(グレード0から4)でグレード2または3の人を対象としました。
滑膜炎とは、関節の内部にある関節滑膜の炎症です。変形性膝関節症でも滑膜炎は起こります。滑膜炎が軟骨の破壊にも関わっている可能性があるためこの症状を持つ患者を母数としました。
トリアムシノロンアセトニドはステロイド薬の一種です。ステロイド薬は痛みや炎症を抑える作用があります。
その一方で、骨粗鬆症などの副作用も知られています。
140人の患者が対象となりました。対象者はランダムに2グループに分けられ、トリアムシノロンの関節内注射を打つグループ、比較のため生理食塩水を打つグループとされました。
どちらのグループでも12週ごとに2年にわたって注射を繰り返しました。
結果、生理食塩水グループとステロイド注射グループとの痛みの改善度合いの違いはないことがわかりました。
看過できない変化として、ステロイド注射の方は関節軟骨の厚みが減少していたという事実です。
すなわち、ステロイドの副作用の一つとして骨粗鬆症を引き起こすことがありますが関節軟骨をも減少させるということです。
研究班は「これらの結果から、変形性膝関節症の患者に関節内トリアムシノロンは意味がない」と結論しています。
【参考文献】Effect of Intra-articular Triamcinolone vs Saline on Knee Cartilage Volume and Pain in Patients With Knee Osteoarthritis: A Randomized Clinical Trial.
日本では関節注射に関する有効性には賛否両論ですが・・・
日本での一般的な変形性膝関節症への関節注射には、急性期にはステロイド注射、慢性期にはヒアルロンなど注射を打ち続けることが一般的ではあります。
変形性膝関節症への根本的な治療法はなく対処療法のみの治療になっています。
では、一体どんな治療法が有効的なのかを次回はアメリカの医学論文より後日ご紹介したいと思います。